光を使ったがん治療を専門に行っている大学研究機関、
民間製薬会社や臨床応用を考えられている方向け

PDT/PITの実験・研究用途として開発された
タッチスクリーン対応 レーザー照射装置「BrixXLAB」




光技術によるがん克服への願い

ドイツOmicron社は、半導体レーザーやLEDモジュールの開発、製造、販売を長年手掛けてきた技術企業です。

かつては医療機器とは無縁の領域にありましたが、ある展示会でPDT(光線力学療法)の研究を行う製薬会社と出会ったことで、Omicron社の道は大きく開かれました。

「光を使ってがんを治療する」という革新的な治療法、その可能性に触れたとき、Omicron社は自社が持つ光技術ががん患者さんの命を救う力になるのではないかと強く感じました。

この想いを原動力に、Omicron社は未知の分野である医療の世界への第一歩を踏み出しました。

以来、医療機器メーカーとしての認可を取得し、光治療分野に特化したレーザー医療機器の開発、製造に取り組んできました。

現在では、日本をはじめ、ドイツ、アメリカ、インドなど、世界各国の医療現場でPDT(光線力学療法)やPIT(光免疫療法)に用いられるレーザー機器を提供し続けています。



BrixXLABとは

複数の波長・バリエーションを選択可能

BrixXLABはPDT・PIT用のレーザー医療機器を研究・開発グレードに展開した製品です(レーザー医療機器をお探しの方はこちら)

PDTやPITでは使用する光感受性物質の特性によって励起波長が変わりますが、BrixXLABは、光感受性物質に合わせて375~1550nmからお好きなレーザーを最大4chまで搭載いただくことができます。

同じ波長、別々の波長、組み合わせは自由で、後から必要に応じて波長を追加、交換することも可能です。

搭載レーザーはそれぞれ独立して、タッチスクリーンから照射強度、照射時間(自動停止タイマー)のコントロールができます。







臨床応用可能なメディカルファイバーを用意

BrixXLABは、ファイバー出力でレーザーを照射します。

主に、フロンタルディストリビュータ、シリンドリカルディフューザー、ベアファイバーの3つのファイバーがあり、ご用途に応じて最適なものをご案内いたします。

例えば培養細胞に照射する場合はフロンタルディストリビュータを、動物体内に照射する場合はシリンドリカルディフューザーを推奨しています。

フロンタルディストリビュータ シリンドリカルディフューザー ベアファイバー




PDT, PIT, PDDラボ実験向け レーザー照射システム「BrixX LAB」仕様


項目 仕様
モデル BrixXLAB-2(1or2波長)、BrixXLAB-4(1,2,3or4波長)
※カスタマイズ可能
選択可能波長(出力) 375nm (0.2W, 0.4W), 405nm (1.2W), 445nm (1.5W, 2.5W), 455nm (5W), 488nm (2W),
525nm (1.5W), 532nm (1.25W), 630nm (2W), 635nm (2W),638nm (0.7W, 2.2W),
652nm (0.5W), 665nm (2W), 675nm (2.5W, 5W), 690nm (1.2W, 2.5W, 5W),
735nm (1W, 1.75W, 2W, 4W), 750nm (1W, 2W, 3W, 5W), 808nm (1W, 2.5W),
830nm (1W), 852nm (1W), 860nm (2W), 915nm (1.5W), 980nm (1W),
1064nm (1.5W), 1550nm (0.8W, 2W)
タッチスクリーンインターフェイス 対応
言語選択 可能
ファイバタイプ マルチモードファイバ
タイマー機能 個別またはグループ
変調 アナログまたはデジタル
制御用インターフェイス USB
レーザー制御ソフトウェア Windows対応ソフトウェア, Omicron Control Center (OCC)
電源 100-240 VAC, 50-60 Hz, 最大 250 VA




対応する光感受性物質一覧


光感受性物質・薬剤 吸取波長 レーザー波長 レーザー出力
ポルフィマーナトリウム 630nm 630nm 2W
5-アミノレブリン酸 (5-ALA) 635nm 635nm 2W
テモポルフィン 652nm 652nm 0.5W
Fimaporfin (TPCS2a) 652nm 652nm 0.5W
タラポルフィン
Chlorin e6
HPPH (Photochlor)
665nm 665nm 2W
亜鉄フタロシアニン
ドキソルビシン
クロロアルミニウムスルホン化フタロシアニン(CASP)
670nm 675nm 2.5W, 5W
シリコンフタロシアニン (PC4) 675nm 675nm 2.5W, 5W
RLP068
Zn(II) phthalocyanine
セツキシマブ
IR700
ベルテポルフィン
690nm 690nm 2.5W, 5W
BC19 / BC21 732nm 735nm 1W, 1.75W, 2W, 4W
LUZ11 748nm 750nm 1W, 2W, 3W, 5W
Padeliporfin, WST-11 753nm 375nm 0.2W, 0.4W
TLD-1433 445nm 1.5W, 2.5W, 5W
金ナノ粒子 800nm 808nm 1W, 2.5W





PDT (光線力学療法)について

PDTとは、光感受性物質という薬剤とレーザーを使ったがん治療の一種です。光感受性物質は「がん組織に結びつきやすい」「特定波長のレーザー光で化学変化を起こす」といった性質があり、患者に薬剤を投与したあと、がん組織にレーザー光を照射すると、光感受性物質が化学反応によって活性酸素を発生させがん組織を破壊することができるとされています。


PDT(光線力学療法)のメリットとデメリット

PDTによる治療の最大のメリットは、がん組織のみを選択・集中的に狙えるという点です。抗がん剤治療では、がん組織だけでなく正常な組織も一緒に破壊してしまうことが知られていますが、PDTで投与する薬剤はがん組織に結びつきやすく、特定波長を持ったレーザー光に反応する性質がありますので、正常な細胞を傷つけるリスクが低く、がん組織のみを狙い撃ちすることができます。

一方でPDTのデメリットとしては「光線過敏症」があります。PDTで投与する光感受性物質は、光に反応する物質なのですが、投与後に日光などに当たると、皮膚が赤くなったり、水ぶくれができたりするといった副作用が生じます。PDTによる治療後はしばらくの間遮光を行い日光に当たらないようにしなければなりません。


PIT(光免疫療法)について

PIT(別名:NIR-PIT)は、新しいがん治療法として注目を集めている療法です。患者に薬剤を投与し、レーザー光を照射するというプロセスはPDTと同じであるものの、使用する薬剤の性質や治療のメカニズムは全く異なります。
現在行われているPITは、IR700という化合物に抗体を結合させた薬剤を使用していますが、PDTで使われる光感受性物質よりがん組織へ結びつくが強く、がんに対しより選択・集中的な治療を行うことが可能です。

また、PDTは化学反応で生じた活性酸素によってがんを攻撃するに対し、PITはレーザー照射による薬剤の化学変化の作用でがん細胞の膜を破り、細胞外部から水が侵入することでがん細胞を破裂させます。さらに、PITでは直接がん細胞を破壊するだけでなく、患者自身の免疫システムを活性化する作用もあり、PITで破壊しきれなかったがんや転移したがんにも有効であると考えられています。


PIT(光免疫療法)のメリットとデメリット

PITはPDTと同様にがん組織のみを集中的に狙えるというメリットがあります。しかしPITで使用する薬剤はPDTよりも更にがん組織への結びつきが強く、がん組織をより集中的に攻撃することが可能。また、患者の免疫システムを活性化させ、転移がんにも有効という点が大きなメリットです。

ただし、デメリットとしてはPDTと同じく「光線過敏症」があります。他にも、がん組織を破裂させることによって痛みや出血を伴う場合があります。




オミクロン・メディカル ジャパン株式会社

レーザー専門商社として50年以上の実績を持つ株式会社日本レーザーと、ドイツOmicron Laserage社の合弁会社として、2019年に設立。
レーザー業界における長年の実績と経験を元に、“Life”に関わる最先端技術の医療・美容・研究機器の普及を目的とし、がん治療向けのレーザーの販売およびサービス および関連機器の販売を行っています。




 

オミクロン・メディカル ジャパン株式会社(英文名 OMICRON MEDICAL JAPAN CORPORATION)

〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-14-1

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